緑美しき、50年前の地、清川村に帰る。改訂版 4・29
 緑美しき、50年前の地に帰る。年月の流れに人の命を思う。

4月22日 薄曇り。晩酌・・・省略。

4月23日 
 四年ぶり、立川で友人2人と呑む。美味い刺身であったが楽しいひと時で写真を撮るのを忘れてしまった。何人かの知人の死を知る。星霜を感じる。

4月24日 省略。

4月25日
 昔懐かしい友人と会う。富山県高岡市から北陸新幹線に乗ってやって来る。小田急線本厚木駅前12時に待ち合わせる。

 私たちは、今から50年前に神奈川県愛甲郡清川村に2校ある中学校の国語科教員に新採で赴任した。

 彼は本厚木駅からバスで30分ほどの緑中学校である。私はさらに、30分ほど奥にある宮ケ瀬中学校である。
 
 同期で研修会などで顔を合わせることが多く、3才年上で物静かで、しかもにこやかに接してくれる彼に親しみを感じて、本厚木駅前の飲食店などでよく、語り合ったものだ。

  
 
 その後、私は2年で東京の高校の教員になってこの地を離れた。1年、2年担任した生徒を卒業まで見なくて去った。田舎教師に徹しきれなかった罪の意識が、今でもある。

 彼は、その地に3年居り、数年後に故郷に帰り、高岡市の中学校の教員になった。
 
 短かったが、初恋のように印象の濃い付き合いであった。

 リタイアして、共に70代の老人になった。年賀状だけは続いていた。余生を考えると、急に、懐かし友に会いたくなるものだ。その思いが一致したのだ。教師の出発点となった地を学校を訪ねようということになった。

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  1時間に一本しかないバスの乗って、緑中学校を訪ねる。。授業中で静かである。がらんとした校庭を眺める。
  ゴールデンウイーク前の静けさの中に周りの山の緑・若葉が美しく目に染みる。名前の通り緑豊かな学校である。
 
  1時間後のバスでさらに奥に入り、宮ケ瀬中学校を訪ねる。その当時の木造校舎は宮ケ瀬湖が出来て湖の底に沈んでいる。今は、湖畔に鉄筋の校舎となっている。晴れた青空の下、それよりも濃く青い湖が美しい。周りの山々の緑の中に薄桃色の山桜が混じっていて美しい風景である。
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 当時もこの様に美しかったにちがいないが、若かったせいか余裕がなく、自然の美しさに目も止めることなく、田舎教師に慣れなくて悶々としていたのだ。

 湖にかかる大吊橋を渡って、宮ケ瀬湖畔園地を通り、バスの終点まで歩く。
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  宿は、湖畔に1軒あるみはる旅館である。当時の教え子の関係者が経営している。平日なので客は我々1組だけだある。
 教え子は60代になっている。印象に残る名前を挙げ消息を聞くと、その内2人が亡くなっていた。早い、驚く。

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  夕食は、山菜の天ぷらを始めとして、猪鍋、あゆの塩焼きなど山の幸の料理である。
 前庭から湖が見える食堂で、呑みかわす。彼は、高峰三枝子の湖畔の宿を思い出すと言う。
 
  
 部屋に戻り、お茶と持参した自家製ごぼう焼酎を呑みながら、遅くまで過ぎし日の思い出を語り合う。
 
  その後の学校、教育論、学生運動、組合活動、マドンナと呼ぶ同期の小学校の美人の先生の話しなど。 何故か、「いちご白書をもう一度」の歌を思い出す。


  翌日は、小田原に出て昼食。老舗の料理屋だるまで海の幸で呑む。相模湾の地魚の刺身盛り合わせである。
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  帰りは、ここ小田原駅で今度は、彼の故郷の氷見のブリ料理で呑みたいね!と言って別れる。
 彼は東海道線で東京駅に出て、16時32分の新幹線で新高岡駅へ。私は小田急線で丹沢山麓の自宅に帰る。

 18時頃から呑兵衛の私は、夕食でまた、呑む。彼のお土産の富山の銘酒、銀嶺立山大吟醸を富山のホタルイカの生姜煮を肴に。
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 また、高岡のお土産の和菓子「とこなつ」もある。妻が喜ぶ。その包装紙に、
 
  「立山に降りおける雪を とこなつに 見れども飽かず 神からならし  大伴家持」とある。

 この和菓子は、この歌にちなんで付けられた名前である。立山の白い雪に擬して白い和三盆糖がふんわりと乗っている。
 越中国守大伴家持ゆかりの地、高岡市には高岡市万葉歴史館がある。そこに彼は退職後、嘱託として勤めた。会に入り、短歌を作っているという。  

 私は立山には何回か登っている。ゴールデンウイークにスキーを持つて登ったことがある。 富山からの帰り、銘酒立山を呑みながら列車から見た高岡からのを頂いた立山連峰の眺望は素晴らしい。
 
 新高岡駅に19時半過ぎに着く彼は、まだ、列車の中である。立山のとこなつのように、とこなつ友情を しみじみと思い、自宅でまだ、だらだらと呑んでいる。

  万感の思いを込めて、
          友有り 遠方より 来たる、亦 楽しからずや

 
 
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