fc2ブログ
兜太の日 ゆっくりと沈む ふるさとに
    兜太の日 ゆっくりと沈む ふるさとに
     
2月23日
 我が家の庭にもフキノトウが出る。天ぷらにする。ホタルイカにも添える。
 DSC_2930.jpg DSC_2931.jpg
 DSC_2923.jpg DSC_2929.jpg
 DSC_2928.jpg DSC_2932.jpg

 DSC_2954.jpg
 20日に、俳人の金子兜太さんが亡くなった。
 98才、反戦、社会性に富む無季の句を提唱する現代俳句の第一人者だった。新聞の「平和の俳句」で私は馴染んでいた。
 新聞から印象に残った句を引用する。
   
   長寿の母 うんこのように 我を産みぬ
 
 *新聞の評からまとめると、・・・生きものとしての人間をありのままに描いている骨太にして、滑稽にも富んだ句である。人は母親からうんこのように生まれ、やがて、へと帰る。
 季語はなくとも、人間の、生きもの全体をめぐる「自然」の大きさや神々しさはどうか。戦争体験から、「いのち」にこだわり続け、平和を叫ぶ俳人であった。

   春落日 しかし 日暮れを急がない
 
 *夕暮れ時で、向かいの山に日が落ちかけている。美しい落日が、ゆっくりと落ちていく。いずれ落ちて暗闇が訪れるが、簡単には落ちないぞ。それは老いた自らへの叱咤でもある。・・・・とある。

 この二つの句は、背景に戦争体験はないものの私の今の心境に相通じるものがある。そして、入院している93才のを思う。
 私も一句
   兜太の日 ゆっくりと沈む ふるさとに  *98才の寿命、合掌!
   落日に ベットに横たふ 母思ふ
 
 *26日の記事から追加・・・戦前に文学が弾圧された事件で、あの「蟹工船」の作家小林多喜二がいる。彼が拷問死したのは1933年2月20日であった。
 
 俳句も戦争中、反戦の句を詠んだ俳人らが検挙・投獄された「新興俳句弾圧事件」があった。この事件を語り継ぐ「俳句弾圧不忘の碑」が長野県上田市に完成し、25日に除幕式があった。
 
 建立の筆頭呼び掛け人は金子兜太さんであったが、そこにはいない。。今の世相を「戦前と似ている」と嘆いていたという。亡くなった日は同じ2月20日、くしくも多喜二忌である。

   戦前の 臭いがする 安倍政治   

 他の記事で哲学者中島義道も、「表現の自由は、今あると言われているけれど、実際はない。私は、現代の日本社会の方が戦前よりもはるかに統制がきついと思う」と言っている。
 
 *与党も野党もきれい事しか言わない、役人は忖度するといった理性主義欺瞞に陥っている。市民運動も利己主義欺瞞が隠れている。本音を言わずウソをつき、監視し合い、自分を窮屈に縛っている。真実がない。もはや表現の自由はない。
 
 カントに言わせれば、自分にも他人にもウソをつく「根本悪」なのだ。 「自分の中の悪」を見つめよ!という。
 
 *鋭い指摘であるが救いはない。ニーチェの言う「人生は無意味(ニヒリズム)である」のか。

   オリンピック 平和も欺瞞 権力者

2月24日
 コンニャクのピリ辛炒めフキノトウ入り、シシャモ焼き
 DSC_2949.jpg IMG_20180225_233946.jpg

2月25日
 豚肉のネギ炒めフキノトウ添え、切り干し大根の煮物
 IMG_20180225_233806.jpg DSC_2942.jpg

2月26日
 アジの干物、野菜サラダ(玉ねぎ・フキノトウ)。   
 DSC_2952.jpg DSC_2950.jpg

   このところ 毎日食す ふきのとう
   素食めし 生きるしかない ニヒリズム
スポンサーサイト




Comment

管理人にのみ表示する


Copyright ©  酒呑童子(老人)の晩酌日記. all rights reserved.
Design by Pixel映画山脈