fc2ブログ
白玉の 歯にしみとほる 秋の夜の 酒はしづかに 飲むべかりけれ
10月17日
   白玉の 歯にしみとほる 秋の夜の 酒はしづかに 飲むべかりけれ

 アル中の歌人、若山牧水の歌である。夏の暑さもなくなり気温も秋らしくなり、日本酒が身体に合う季節になった。
 この歌が実感を伴って思い出される。
 
 枕詞の「白玉の」が、清酒と秋の冷気の透明感が重なって、白い「歯にしみとほる」にかかる表現が絶妙である。歯と舌にしみる酒の旨さが伝わってくるし、実感もそうだ。

 さて、今日の肴はどうするか。鍋物が恋しい、おでんにしよう。
 材料・・・・ちくわ・だいこん・さつま揚げ・砂肝・若鳥のスペアリブ・こんぶ・野菜。*我が家特製 
DSC_5053.jpg DSC_5054.jpg

 DSC_5060.jpg
  この純米辛口は旨い!

 DSC_5038.jpg
  小田急線が通る田舎町の田んぼ もうすぐ、夕暮れだ。
 
 カーテンをしめて、灯りの食卓でしづかに呑む。さて、あと何年生きるのかと。友よ、生きているかい!
   秋の夜に しみじみと呑む 一人酒
   何となく センチメンタル 寂しいね  

 また、思い出す牧水の歌
   幾山河 越えさり行かば 寂しさの 終てなむ国ぞ 今日も旅ゆく

 漱石の「こころ」の先生は言う。「私は淋しい人間です。あなたも淋しいのでしょう。」と。
 何ともしがたいエゴイズムの孤独とうまく話し合えない人間の孤独を私も感じています。
 
 人生は思うように行きません。このニヒリズムは、先生は妻を残して自殺したが、家族を置いて自殺ができない私は酒を呑んで生きるしかないのです。 
 
  そして、今日も 

   酔いまわり いつしか眠り 朝が来る
 
 こんな風に生きているのです。  酒呑老人
スポンサーサイト



Copyright ©  酒呑童子(老人)の晩酌日記. all rights reserved.
Design by Pixel映画山脈